当院は災害対策基本法に基づいて、平成15年に大分県より災害拠点病院として指定されました。災害拠点病院とは、地震・津波・台風・噴火等の災害発生時に重症・重篤な傷病者の受け入れや災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣機能を備えた病院です。
DMATとは災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team)の略で、「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されています。
チームは医師、看護師、業務調整員(事務職員など)で構成され、大規模災害の被災地や多数の傷病者が発生した事故現場において、急性期の医療支援を行うことがDMATの目的です。
DMATには大きく分けると2種類あり、大災害(大地震・飛行機事故・列車事故・テロなど)を想定した「日本DMAT(医師や看護師、業務調整員を含む隊員5名で構成)」と、日本DMATの技術を地域に応用した「大分DMAT(医師と看護師を含む2名以上で構成)」が存在します。
私たち中津市民病院DMATは双方での訓練を受け、平成19年度から日本DMATと大分DMATの2種のDMATに登録されています。
大分DMATは平成22年に中津市消防本部からの要請が初の活動となり、それから数件の出動要請を受けることとなりました。
出動要請を受けた院内の隊員は至急に出動態勢をとり、以降の消防本部からの指示を待ちます。最初の出動要請は救急隊の現場到着直後に入ります。このため傷病者の状態によっては、出動準備のみで活動が終了することもあります。
しかし、要請を受けてから出動態勢を整えることも訓練の一つとして対応しています。
今後も中津市消防本部との連携をはかり出動に備えます。
日本DMATについては、あまりに大きな想定の為、装備をどう準備するべきか、何をどのくらい持つべきかなど、迷いながらの手探りでの活動が続いていましたが、平成23年3月11日の東日本大震災発生に伴い、当院では地震発生直後よりDMATメンバーを参集し活動を開始、国からの最初の出動要請で東北地方へ向かい、活動を行いました。
今回の経験を経て感じた多くの事を次につなげて行く事こそが、今私たちに与えられた使命と思い今後も努力を続けて行きます。
近隣自治体との大規模訓練
平成28年熊本震災での活動