8:30〜11:00
時間外は救急車のみの対応となります。

中津市 病院・診療所事業管理者
是永 大輔
2040年に向けた地域医療構想や2026年度診療報酬改定が発表され、病院は対応を迫られています。新たな地域医療構想では、医療機関の機能を「急性期拠点機能」「高齢者救急・地域急性期機能」「在宅医療等連携機能」「専門等機能」の4つに分類し、地域ごとに医療資源を最適化し、効率的で質の高い医療提供体制を構築することを目的としています。
2026年度診療報酬改定では、新しい地域医療構想に対応して、2種類の急性期病院一般入院基本料(A・B)を設定し、急性期拠点機能を担う病院の評価を強化しました。より機能の高い病院には手厚い点数が配分される仕組みであり、病床機能に加えて診療報酬上の実績が求められるため、急性期拠点機能の該当要件が明確になりました。
急性期拠点機能を担う病院は人口20~30万人ごとに1か所設定され、手術や救急医療などの医療資源を多く必要とする症例が集約されます。どの病院が急性期拠点機能を持っているかの選定は、救急搬送件数、全身麻酔手術件数、重症度、医療・看護必要度などの指標をもとに判断されます。当院は大分県北~福岡県東部京築地域で人口24万人医療圏の唯一の公的基幹病院であり、その資格は十分ありますが、一定のハードルを越えなければ急性期拠点機能を担う病院としては認可されません。
「We must change to remain the same.」~変わらないために変わり続けなければならない~
この言葉は19世紀のイタリアの貴族社会の没落を描いた名作映画『山猫』の台詞です。昔から引き継がれてきた伝統や習慣を変えることは難しいことですが、変わらずにいるとそのまま滅んでいくこともあります。今日の厳しい医療情勢のなかで、当院が急性期拠点機能を担う病院として生き残るためには、さらなるレベルアップをめざし、自らが変わらなくてはなりません。医療の本質は変わらなくても、試行錯誤しながら組織として進化を深めていくことが必要です。今後も信頼される地域の基幹病院として、住民の期待に沿えるよう努力していきたいと考えています。
令和8年4月

中津市立中津市民病院 院長
折田 博之
中津市民病院は、2025年4月に大分県より地域救命救急センターの指定を受けました。2000年に国立病院から中津市立中津市民病院として新たな歩みを始め、2003年には災害拠点病院、2010年に地域周産期母子医療センター、2011年にがん診療連携拠点病院に指定され、2013年には地域医療支援病院としての役割も担うようになりました。 以来、地域医療支援病院として重要な機能の一つである救急医療の提供にも力を注いで参りましたが、この度三次救急医療機関として指定されたことを重く受け止めています。2025年度の救急車搬送数は前年同様3500件を超えて、大分県で最も多くの救急車を受け入れていますが、三次救急患者受け入れのため更なる機能の充実に取り組む所存です。
また、2025年2月から手術支援ロボットを用いた手術を開始しました。機械の導入だけではなく、プロクター医師の招聘を合わせて行うことで、手術症例は漸増しています。2025年末までに61件の手術が施行されましたが、2026年は年間150件の手術を目指しています。そして2025年7月から強度変調放射線治療を開始しました。病巣周辺への照射を抑えることで、より安全な治療が実現できたと考えています。2024年のがんゲノム医療の開始と併せて、質の高いがん診療を実現できるよう努めていきます。
2027年からは、高齢者医療の需要増加と医療従事者供給のミスマッチ解消に向けた「新たな地域医療構想」が本格的に進められます。効率的な医療の提供のため実績に応じて急性期病院の選別が行われると予測される中、当院は地域から高度急性期、急性期医療の灯を消すことなく住民の皆様が安心して暮らせる地域であり続けるために、力を尽くしていきたいと考えています。
しかし、250床の病院が中核機能を果たすためには、地域の医療機関や行政など多くの支援が不可欠です。中津市では過去10年間、重症度や緊急性に応じた救急患者受け入れ体制や医療機関の連携強化に向けた議論と体制整備が進められてきました。特にコロナ禍という困難な状況下においても「災いを転じて」機能分化と集約化がさらに推進されたことは大変意義深いと感じております。地域の知恵と力を結集して医療連携の深化、機能分化・集約化をさらに推進することで、この大きな課題を乗り越えられると確信しています。
令和8年4月